|毛穴トラブルとは
毛穴は医学的には「毛包」といい、皮膚が落ち込んでできたくぼみのことをいいます。人の顔には、1cm四方の中に約20コの毛穴があり、顔全体では約20万コもの毛穴があります。中でもTゾーンは毛穴の数が他の部位の約7倍もあり、この影響で「乾燥肌なのにTゾーンだけベタつく」ということが起きてきます。
毛穴が目立つ人、目立たない人がいますが、これは毛穴の多い少ないということではありません。
毛穴は、加齢によるたるみ、ストレスによる自律神経の乱れ、不規則な生活や睡眠不足、食生活の偏りなどが原因で目立つようになります。丁寧な洗顔やスキンケアといった日頃のお手入れだけでは、開いてしまった毛穴や黒ずみを解決するのはなかなか難しく、男女を問わず真剣に悩んでいる方が多くいらっしゃいます。
毛穴の奥には皮脂を分泌する皮脂腺があります。毛穴の中は絶えず皮脂がたまった状態で、皮脂の分泌が過剰だと詰まりやすくなります。
顔の毛穴の大きさは男性ホルモンの量で決まります。男性ホルモンが多いと皮脂腺が発達して皮脂の分泌量が増えます。皮脂腺が大きくなるほど毛穴が目立つ肌になります。
男性ホルモンの量は遺伝によるものが大きく、毛穴の大きさも生まれる前から遺伝によってほぼ決まっています。皮脂腺がもっとも発育しているのは頭で、その次が顔になります。体の毛穴は気にならないのに顔の毛穴は目立つというのはこのためなのです。
|年齢による毛穴の大きさ・トラブルの変化
皮脂量は年齢によって変化します。男性ホルモンや黄体ホルモンという女性ホルモンなどの性ホルモンに影響されるため、加齢による性ホルモンの減少と皮脂量の減少は基本的に比例します。
性ホルモンの分泌が増加する思春期頃から、皮脂の分泌が急激に増加し、10代後半〜20代前半をピークに緩やかに減少していきます。
20代は皮脂分泌が盛んで、きちんとケアしていないと、増加する皮脂にって毛穴がどんどん大きく開いてしまいます。また、毛穴に詰まった皮脂や角質、老廃物が酸化して〈黒ずみ毛穴〉やニキビの原因となります。
30代は皮脂分泌量はほんの少し減少します。しかし、加齢等によって肌が乾燥することで、毛穴のまわりの肌細胞が萎縮して毛穴は益々目立つことになってしまいます。ハリと弾力が低下した肌細胞は、だんだん垂れ下がっていき〈たるみ毛穴〉になっていきます。
40代からは年齢的には皮脂の分泌量が減少していきますが、肌のターンオーバーが低下して古い角質が停滞することで〈毛穴の詰まり〉が生じ、さらに皮膚のハリの低下に伴う〈たるみ毛穴〉などと重なって、毛穴トラブルが深刻化してくる年代ともいえます。